webnews 06/11/28 (火)
http://www.2002world.com/news/200611/061128_news1076.html
新宿のリズムに飲み込まれながらも
クラブ・ドラゴンズが辛勝。

第40回関東社会人サッカー大会 準決勝
 フットボールクラブ新宿vsクラブ・ドラゴンズ

2006年11月20日(月) 13:00キックオフ 
群馬県営サッカー・ラグビー場 観衆:39人 天候:雨のち曇
試合結果
フットボールクラブ新宿0ー2クラブ・ドラゴンズ
      (前0ー0、後0ー2)
試合経過/[ドラゴンズ]宇佐美(49分)、福田(70分)


取材・文/砂畑 恵

 沈黙を守っていたドラゴンズの川本監督は、
ハーフタイムになりベンチに引き上げてきた選手たちに向って
「お前ら、なめている!」と一喝した。
そう監督が声を荒げたくなるのも無理はなかった。図南に競り勝って、一躍優勝候補として名乗りを上げたチームだったが、
昨日のサッカーは影を潜め、新宿に迷宮へと誘い込まれていたからだ。

 この試合で初めて見る新宿はとても不思議なチーム。
整列した選手の着用するグリーンに赤黒い紗の入ったユニフォームにも度肝を抜かれたが、その際立った個性的な面は
サッカーにも通ずるものがあった。
バックは下佐と角南のCBが担う変則4バック。左サイドバックの高妻はほとんど攻撃に上がることはないが、
逆に末本はチームが攻撃に回った時はアウトサイドのような高いポジション取りをする。
また最終ラインの前に必ず居座る伊藤は他のMFとは異なり守備専門。
相手のFWをDF陣の前で捕まえ、ピンチの際は最終ラインに下りるのが役割だ。
攻撃の面でも金田がトップを張り、清田が両サイドに頻繁に移動して相手の守備をかき回す。
メンバー表ではFW登録となっている大谷はトップ下といった感じだ。
つまり守備的なように見えてはいるが、実際はそうでもなく、どこか掴みどころがないというのが大まかな新宿の印象である。

 今まで闘ったチームとはタイプが違うために面食らったように見えるドラゴンズに対し、新宿はしっかり主導権を握った。
1分には、FKから金田がファーストシュートとなるヘディングシュートを放ち、13分には、清田の突破をきっかけにCKを獲得。
末本のCKをGK清水が弾いたところを岡部がシュートを放つ。
ところが16分、チームに衝撃が走る。相手と接触した伊藤が傷み、そのままピッチを去ったのだ。
ベンチは直ちに越智を投入し、岡部が伊藤のポジションへ下りる。
だが伊藤は特殊な役割を担っていただけにチーム内は混乱。
突然、出番が回って来た越智の所在な気な様子からもそれは窺えた。



 一方、ドラゴンにすればゲームの流れを逆転させるチャンス。相手の混乱に乗じて攻めに転じた。
17分には沢口、18分には田村がサイドを崩してヘディングシュートを放つ。
ころが、いずれもGK小野寺の守備範囲。
その後もドラゴンズは両サイドから新宿を崩しに掛かるものの最後の詰めが甘く、シュートまではまったく結び付かず。
反対に体勢を立て直した新宿にカウンターを浴びることも。
ゲームスタッツを見ても、アクシデントに見舞われた新宿がシュート5本なのに対し、ドラゴンズは3本。
やはり新宿にしてやられたと言えた。

 後半に入ると、ハーフタイムの一喝が効いたのか、ドラゴンズは試合開始の笛と共に攻めに出た。
そして49分、スローインを受けた田村が小気味よいドリブルからセンタリング。
ファーサイドにいた宇佐美が頭でゴールにねじ込んだ。
だが、この先制点で勢い付くかと思われたドラゴンズは再びトーンダウン。
足の長いパスを巧みに使いながらシンプルに攻める新宿に再びリズムを乱してしまう。特にボランチの藤田が不調。
攻守に渡り、前に出て相手と向き合うのが藤田の魅力だが、この日は中途半端なポジション取りでその輝きがなくなっている。
業を煮やしたベンチは29分、遂に藤田を福田に代えることを決断した。

 その1分後、交代出場した福田が追加点を挙げた。左サイドを切り裂いた松本がマイナスのパスを送る。
ニアに走った田村を囮にして、その背後に入った福田がダイレクトシュート。
どうにかドラゴンズは2点目を入れ、ゲームを決定付けた。



 敗れた新宿は、1999年にチームが創設された、まだ歴史の浅いチーム。東京都リーグ1部昇格したのは2年前だ。
居並ぶ強豪の中で準決勝まで勝ち上がったのは大きな自信になったのではないだろうか。
独特のフォーメーションと形容し難い独自のリズム。やはり伊藤が万全なままでドラゴンズとの闘いを最後まで見たかった。
ただ確実にチームは新たな境地に歩を進めた。これから先、新宿がどんなサッカーをするか楽しみである。

 さて、よい内容とは言えないまでも、ドラゴンズは関東リーグ2部入りという目的は達成した。
ただチームとすれば反省する点も多々あるだろう。特に相手のペースにはまって自分の間で闘えなかったこと。
また上手く相手のサイドを突きながらもそれをフィニッシュという形で締め括れなかったことも今後の課題だろう。
決勝戦までにいかに修正してくるか。それに注目して次の試合を見ようと思う。

(フットボールクラブ新宿)   (クラブ・ドラゴンズ)
GK: 小野寺淳    GK: 清水慶記
DF: 下佐大介 伊藤大輔(16分/越智稔、76分/田中仁敬) 岡部栄一    DF: 井上大輔 奥山雅之 吉渓亘 松本真昇
MF: 佐々木剛 角南淳平 末本直太 金田康 清田哲也 高妻裕樹(67分/牟田貴一)    MF: 藤田貴史(69分/福田建) 金功青 宇佐美潤(77分/鈴鹿源太郎) 保崎淳
FW: 大谷健人    FW: 田村健之輔 沢口泉
SUB: 大河原章広 小林伸行    SUB: 椎名一馬 尹誠周 星野崇史 中村義彌 遠藤幸雄